【図:運輸経済研究センター発行の「都市交通年報平成10年度版」
「全国鉄道事情大研究-東京都心部編(川島令三著)」のグラフを元にグラフ化】
図は平成8年度の1日平均の定期客の動態について示している。階段グラフの
赤線は駅間通過人員、各駅にある棒グラフのうち、濃い赤は本八幡方面の電車への
乗車である。ただし、新宿方面への電車から下車の人数もこのうち含まれている。
緑は、新宿方面の電車への乗車である。同じように本八幡方面への電車からの下車
も含まれる。
輸送量は東京メトロ各線と比較して低いが、輸送力そのものも低いので、
混雑率は高い。
図からわかるように、九段下、小川町は、急行停車駅である神保町、馬喰横山
に匹敵する人数の乗降がある。この2駅を急行停車駅に加えても良い時期に来ているが、
昼間時は速達運転の維持のために通過は必要だが、今後ラッシュ時に運転する場合は、
停車する必要がある。
東行き(本八幡方面)は、京王線からの乗客を受け継いで、市ヶ谷、九段下、
神保町で、下車をする流れになっている。都営新宿線は、大手町、銀座をはずしている
ため、乗り換えによって生きる路線である。そのため、乗換駅である市ヶ谷、九段下に
下車が目立つ。平成8年の時点では大江戸線、半蔵門線との乗り換えがないため、西行き
(新宿方面)は馬喰横山まで漸増する乗降の流れが見られた。
【図:国土交通省 駅別発着・駅間通過人員表 平成23年データを元にグラフ化】
大江戸線が全線開通し森下での乗り換えができ、住吉で半蔵門線乗り換えができる
ようになり、平成8年のグラフと比較し、最混雑区間が徐々に東に寄っていることがわかる。
西行き(新宿方面)は、本八幡での総武線、京成線からの乗り換え客をベースに
森下まで増加を続ける。住吉で半蔵門線への乗り換えがあるが、まだまだ数としては少ない。
森下で大江戸線、馬喰横山では、主に浅草線への乗り換えがあり、次いで小川町、神保町など
の乗り換え駅での下車が目立つ。